「なんで花音が泣くわけ?」


「っ…だって―…」



「大丈夫。このまま花音の前から居なくなったりしないから。明日には帰るから」



だから…今日だけはそっとしていてほしい―…



安心するように、頭を撫でながら微笑んだ



その時



――♪〜♪♪〜



花音の制服のポケットから鳴り出した、花音の携帯


最近の流行っている曲が明るく着メロで流れる



携帯を取り出すとディスプレイに「お母さん」の文字




おそらく、おばさんが遅くなった花音を心配してかけてきたんだろう…


携帯をそっと開ける花音




――ブチッ



「………えっ」



花音は迷いもなく、鳴り響く携帯を切った