「あたしもっ…棗のこと大好きなのッ―……」



ガヤガヤしてる遊園地も段々人が減ってきて、落ち着いている中で、鮮明に聞こえた花音の声



っツ……!



――グイッ



「きゃっ!」



涙を必死に拭く花音を引き寄せ、抱きしめた




「やっと取り戻した……」


「棗……?」



ボソッと口から出た言葉



でも、俺の本心……



ずっとこの腕の中にいてほしい。



他の奴なんて、見ないでいてほしい。



ただ…俺のそばに居てほしい。




たくさん願ってたことはあったのに……




“今、花音は俺の腕の中にいる”





その事実だけで、凄く幸せに感じた




すべて思い通りにならなくてもいい―…



ただ…俺から離れていかないでくれ……