「ねぇ、棗、さっきの……」

「なぁ―花音。」



「えっ?何?」



遮られて呼ばれたあたしの名前



「行きたいところあるんだけどさ…いい?」


「……行きたいところ?」



「そっ!じゃあ行くぞ!!」


「えっ?!きゃぁっ!」



また腕を強く掴み、歩きだした棗



って!どこ行く気なの?!


「ちょっと棗!どこ向かってるのよっ!!」



「いいから♪いいから♪」



引っ張らながらどんどん進んでいくあたしたち



棗はなんか楽しそうだし。


まるで…さっきのことなんて無かったかのように……





「着いた―っ!」



「はぁ―…着いたって……、ここ…に…?」


「そう♪ここに来たかったんだよ」



あたしに満面の笑みを見せながら、そう言った