棗がグラスにアップルジュースをついでくれる



「「…………」」


何も話さないあたしたち



聴こえるのはジュースの注がれる音だけ……



いつものあたしたちなら、あり得ないんだけど!!



こんなに意識しちゃうのも、きっとさっきの蓮の言葉のせいだっ!!


――『それに…そんなこと言っちゃ、棗に嫌われるぜ?』


耳元でボソッと囁いた蓮のセリフが思い出される



もぉ―…、蓮のバカ……



一体何を、話せばいいのよ……?



無駄に冷や汗が出てくる……



何か、何か話さないとっ!



「ねぇ!」



「あっ…なに?」



「早く…しよ?」



「へっ?!」



なんでそんなにビックリしてるの……?



「英語……」



「英語?」



なんでそんなキョトンとしてるわけ?



「英語教えてくれない?って言ったじゃん!!」



「あっ…あぁ―…そうだったな」