その時チラッと聞こえたとある言葉



「やっぱりあんな可愛くなったってことは…あれじゃねぇ?」


「新しい恋ってことか?俺だったらどうしよ〜」


「お前はあり得ねぇよ」




小さい声だけれど何故か俺には鮮明に聞こえた




新しい…恋……?



花音に…好きな奴が出来たってことか……?




ドクドクとうるさいくらいに鳴り響く俺の胸



嘘…だろ……



「棗!おいっ!」



「あっ……」


「大丈夫か?あいつらが言ってたことなんて気にすんなよ」



蓮にも聞こえてたんだな……



「あぁ―わかってるよ」




そう言って笑ったけど、本当は気になって仕方なかった……


きっと俺の笑顔はひきつっていただろうな……