――ピンポ―ン



どのくらいの時間が経ったのだろう…



聞こえたチャイムの音にハッとした




あっ…そっか。


お母さん出かけてて居ないんだった…。


最初は出ないでもいいや、と思っていたけど、何度も鳴らされるチャイム



もぉ―…なんなのよ……



ノロノロと階段を下り、玄関のドアノブに手をかけ開けた



「はい…。どちらさま……ッ」



な、なんで?



なんで棗がいるの!?


――バッ


反射的にドアを閉めようとした。



しかし



「待って。花音!」



そう言ってドアを閉めるのを阻止する棗



「ちょっとでいいから、話しさせて」



「っっ……」



必死そうな棗に、何も言えなくなった