「おせぇ〜」



いつも通り、花音の家の前で待つ


そこまではいつも通りだった



でも今日はなかなか花音が出てこない



休みか?…でもそれらしきメールも来てないし……


仕方ない!この際!



玄関の前まで来て、チャイムに手を伸ばした……



その時



――ガチャッ


「棗くん」



開いたドアから出てきたのは花音のおばさん



「えっ…とぉ―…花音は?」



突然出てきたおばさんに驚き、言葉がしどろもどろになってしまう


「ごめんなさい。花音、先に学校に行っちゃったのよ」



は?先に?


「……そう…ですか。わかりました」



それだけ言って頭を軽く下げた



「本当にごめんなさいね」



そう言って少し悲しそうな顔をしたおばさん