「何の用かなんて自分が一番よくわかってるくせに♪」


「っっ…」


「別にいいんですよ―。別れなくても♪…ただ、これをばらまくだけだから♪」



「なっ!!」



ピラピラと目の前でなびかせる昨日見せられた写真




ご丁寧に写真を現像していて、紗月ちゃんの手元には数十枚以上の同じ写真がある



「これ、今ばらまいたら、登校してきているほとんどの生徒が見るでしょうね」


ニッコリ笑っているようだけど、目は笑っていない…


こんなのバラまかれたら棗の立場が……



ずっと首席で優等生だったのに……




こんなもののために……



こんな奴のために……



それを無駄にするなんて…


「さあ?どうします?花音先輩♪」



悔しい……


悔しい………




こんな奴に何も言い返せないなんて……



でも………