だから棗から逃げるように、朝早く学校に向かう



どうせ会うのにね……?



朝早い教室にはやっぱり誰の姿も見当たらなかった



「はぁ―……」



意味のわからないため息が出る



シーンとした教室に一瞬響いて、すぐに吸収されていくため息



それがさらに、あたしの虚しさを募らせた



「……花音」



……っっ!!



なんで………


「棗……っ。」




ドアの前に立っている棗



「昨日は……」


「来ないでっ!!」



あたしに近づいてくる棗に、とっさに出た言葉



「花音……」



そんな哀しそうな顔しないでよ……




グラッと揺らぎそうな心