迷いなんてなかった。


ためらうことなんて知らないかのように、

私は削除のボタンを押した。




ディスプレイには“削除しました”と

文字が表示された。




私は走った―




何かを忘れるように、


何かじゃない、全てを忘れるかのように…



キキーッッ!!!!!!!!




気づいたときには遅かった。

目を向けると、トラックの光が

私を強く照らしていた………