ご主人様はトップアイドル?!

――

――――


「…これがマヤの過去だ」


ぽろぽろ...


自然と目から涙が零れていく。

悲しいわけでもない、苦しいわけでもない。

なのに…




「ヒック…社長は…っく、何で話さないんですか?」

「―え?」


「きっと、きっとマヤくんは待ってます」




そうだよ。マヤくんは待ってるはず。

自分の過去について、しっかりとした真実を受け止めたいはず。



「だって…マヤくんじゃなくてもわかりますぅ…」

「わかるって?」

「虐待を受けている息子を、意味もなく無視したりするのは理由がありましたよね?」


「あぁ…」