復唱する永瑠に、七瀬はうんうんと二度うなずく。
「なんていうかさ、ほら、自分が仲良いって思ってる子が他の子と仲良くしてると、不安になるよね!」
「うんー……そのつもりないんですけど……」
「心のどこかで、ニーナちゃんは自分と仲良しって思っちゃってるの。あ、でも悪いことじゃなくて、フツーだと思うよ?私もだし~」
「……なんかよくわかんないです……」
唸りながら首を左右に揺らして必死に考える永瑠を見て、やっぱり七瀬は笑顔で。
「いいのいいの~わかんなくても~。でも、ニーナちゃんはきっと永瑠ちゃんと居る時も楽しいと思うよ?」
「そうですかねえ……」
「うん!外側から見てる私にはわかるの!まかせといて!」
何をどう任せろというんだ。
と、親指を立てて“キラーン”という効果音が似合いそうな七瀬に内心でツッコミを入れる。
永瑠はしばらくゆらゆらと揺れた後、七瀬から俺へと顔を向け、「なあ」と。
「なあ、有架も、あの袮夏って人が他の人と仲良くしてると、嫉妬すんの?」
「ごめんちょっと何言ってるかわかんない」
即答すると、普通の笑いから爆笑に変わった七瀬がひいひい言いながら永瑠の肩をたたく。
なにゆえ爆笑されたのかわからないらしい永瑠は、「おなかいたいー」と言いながらそれでも爆笑している七瀬を瞬きしながら見つめる。
「あのね、あのね永瑠ちゃん!たぶんだけど、それ女の子だけだと思う!」
「え、そうなんですか……」
「うんうん!あー永瑠ちゃんおもしろいーっ!」


