ロリーポップが不機嫌なワケ。





その爽やかくんと話し始めたニーナ。

うん、やっぱあれが丘崎くんってヤツか。

予想的中のそいつと楽しげに話しているニーナの背中を、永瑠は何故かじっと見つめる。

さっきまでものすげェ緊張してた様子は少し薄らいだような、だけど、どこか不安げな色を浮かばせて。


「……どうした?」


気になって尋ねると、永瑠はこちらを見上げ、苦笑を浮かべた。


「いや、なんか、なんていうか、ニーナちゃん、オレと一緒でホントに楽しいのかなって……」


またコイツは。


「なんでそう思うの」

「……だって、丘崎くんたちと話してる方が、楽しそうな気がする」


微かに唇をとがらせて、永瑠は徐々に目線を下げる。

気にしすぎだっつーの。

そう言おうとした俺、けれど背後から誰かの手が俺の肩を掴んで、遮るように。


「永瑠ちゃん、それ嫉妬だよ~」


今までずっと黙っていた七瀬が、愉快そうに永瑠の前に屈みこんだ。

突然の言葉に意味がわからないという風に、永瑠の眉はぎゅっと寄った。


「し、しっと……?」