不服そうに口をとがらせる永瑠に、俺はにこりと。
「何かご不満?」
「……すっげー不満!」
「へえ……」
「お前がオレの親役とか、バカがうつる」
「上等」
言いつつ永瑠のかぶっているキャップのつばを思い切り下げる。
「ふぎゃっ」
……思いのほか下がった。
もがもが言ってる永瑠の横で、ニーナが楽しそうに笑う。
「永瑠ちゃん、有架さんが相手だと面白いね~」
「もがぐっ……そ、そんなことねェよ!?」
慌てたようにキャップをかぶり直しながら、永瑠は必死でニーナにそう言う。
ニーナと2人の時の永瑠は、一体どういうキャラなのか。
……たぶん毎度毎度噛んでると思う。
そんなに緊張しなくてもいいんじゃないかって思うんだけど。
ダチとはバカやって笑ってりゃそれだけで十分なんじゃないかって思うんだけど。
……それは俺等だけか。
「あ、そういえば!」


