……あーもう何も考えないで早く祭り行こう、と、七瀬の手を引くという行動に出る。
「わわっ有架、待って待って!下駄とか歩きなれないからー!」
「あ、悪ィ」
「もーそんな焦んなくても、お祭りは逃げないからー」
祭りは逃げないだろうけどね。
俺の理性が逃げそうでヤバいんデス。
冗談だけど。
七瀬は楽しそうに笑って、手を掴んでいた俺の手を握り締める。
「よし、行こう!たこ焼きイカ焼きリンゴ飴ー!」
どうやら七瀬の脳内は“お祭り=食べ物”と解釈しているようで。
……そうじゃないと思うんだけど。
でもまあそれが七瀬だし、と思い直しながら、祭りに向かった。
*****
「お前……リア充やったんか……!」
「…………」
「リア充爆発しろ!」
「なんでお前がたこ焼き屋やってんだよ似合いすぎて違和感ねェだろ」
「おーきに!」
「いや褒めてねェよ」
「お前……もしかしてツンデレか!」
「…………」
「……つ、ツッコミがないと逆に怖いわ……」


