や、別に俺の部屋で寝てもらってもいいんだ、けど。
「じゃあ、七瀬ちゃんは有架の部屋で寝てもらってもいいかしら!」
……満面の笑みで母さんがそう提案した瞬間にちょっと悩んでた自分がバカに思えてくるわけで。
あ、いいんだ……。みたいな。
「はい、わかりました!そうさせてもらいますね!」
対する七瀬も超笑顔。
いやいや。
「いいのかよ」
「うん?いいよ?え?ダメなの?」
「ダメじゃないけど……」
ケロッとした顔で首を傾げ、そう問い返してくる七瀬。
ちょっと脱力。
首を傾げる姿は可愛いけどもうちょっと考えてくれてもいいんデスよ。
「んとー、じゃあ有架。部屋狭くなっちゃうけどごめんね?」
「や、気にすんな」
苦笑を浮かべつつ七瀬の荷物を自室に置く。
七瀬はきょろきょろと部屋を見渡して、何故か1人で頷いている。
何にどう頷いてるんだろうかと思えば、
「ここが有架の部屋なんだー。あー、なんか有架っぽーい」
「どういう意味」
「シンプルだけどちゃんとしっかり生活してる感じ」
「まあ一応俺生きてるしね」


