『え、マジで言ってんの?』

『マジだよ?え?ダメなの?』

『いや、いいけど……なんで突然?』

『日曜日からお祭りがあるんでしょ?』

『……それか』

『楽しそうじゃん!いろいろな文化を知るのもデザインにはいいと思うんだよね!』


……まあ、たしかに七瀬がデザインの参考にいろんな文化を知りたがっていることは知ってる。

でもこの辺の祭りは他と特別違うところとか、あんまり、ないような、気が。

……しなくもないけど、会えることに異存はないから、別にいっか。


『というわけでー日曜日にそっち行くね!』

『はいはい、りょーかい』

『でも有架の家までの道知らないから、迎えに来てくれると嬉しいなあ』

『行くっつーの。当たり前』

『あはっうざいー』

『もうなんとでも言え』


なんて会話をしたのが記憶に新しい。

そして、日曜日にリアルに俺の地元まで足を運んだ七瀬は、初めて見る街並みに興味しんしんな様子で。


「ね、あのお店行ったことある?」

「まずああいう店に男が入ると思いマスか」

「すっごい!可愛い雑貨いっぱい!」

「聞いちゃいねェ」


七瀬が自由奔放な性格だと言うことは重々承知だけどね。