結局は水飲んで抑え込んだので、吐かずに済んだんだけど。
しかしダルイことに変わりはないわけで、俺は冷えピタ張ってベッドに横になってダウン。
袮夏はそのベッドに寄り掛かり、PSPでモンスターをハンターする某有名ゲームをやっている。
ヤツが使っている武器は双剣らしく、さっきからガシャガシャシャキンとうるさい。
ホントの本気でお願いだから帰ってほしい。
「……あ、そう言えば聞こうと思てたんやけど」
クエスト終了の音楽が鳴り始めてから、袮夏は思い出したように口を開く。
「……なんだよ」
「なんやものっそい敵意を感じるのは俺だけやろか……」
「気のせいだろ。帰ってほしいだけだし」
「帰ってほしいだけでその敵意とかマジ勘弁!」
「聞きたいことねェなら帰れ」
「ある!あるっちゅーねん!」
「はいはいなに」
「大学で何しとるんかな思ってん!」
……なんだ、そんなこと。
「……お前ならわかるだろ」
小さく笑いながらそう答えると、袮夏はゲーム画面から顔を上げ、こちらを向いた。
「……やっぱアレか!」
「そうそう、アレ」
「そうかー。いや、そうやないかなあと思てたけど……ホンマ2年経ってもお前はお前やな!」
「そォかよ。袮夏は何やってんの」
「答える必要あらへんやろー」
「……ははっ。やっぱお前もお前だな」


