……というわけで、リアルに朝までゲームをやってやがった袮夏は、コントローラー片手に死にかけの俺をてんで無視して話しかけてくるワケで。
「んでんで?その後永瑠ちゃんどないしてん?」
「……は?」
「そのなんや助けた子とは会ってないん?」
「……悪い、ぜんっぜん頭が働かねェ」
「なんやねんお前、根性ないなあ!」
いろいろと頑張って帰ってきた人を気遣う気持ちのまったくない野郎に言われたくはない。
俺はコントローラーを手放し、首を鳴らす。
「……もう寝る。いい加減寝る。っつーか寝かせろ」
「阿呆!ここのボスは2Pが鍵なんやぞ!1Pやと勝てんのやぞ!」
「……お前さ、そういうゲームを狙って持ってきてない?」
「ふっ……袮夏さんをナメてもらっちゃ困るっちゅーねん」
「ホント死ねばいいのに」
さっきから何度も寝ようと思いコントローラーを手放すも、「これクリアするまで!」と袮夏がかたくなに言うので付き合えば、次のゲームでも同じことになるというエンドレス。
それが3度もあればさすがにムカつくので意地でも寝てやろうとすると泣きつかれる始末。
野郎に泣きつかれても嬉しくない。
そんな感じで睡魔と闘いつつゲームのモンスターと戦いつつ袮夏のテンションに死にかけつつ朝の10時まで起きてる俺を誰か褒めてほしいんだけど。
「うおい!有架!コントローラーを持て!持つんや!次がボスやぞ!」
「がんばれ」
「有架ああ!寝るなあ!寝たら死ぬぞおお!」
このまま起きてる方が死ぬと思うんデスけど。


