ロリーポップが不機嫌なワケ。





あまりに小さな声だったので、本当にそう言ったのかどうかはわかんないけど。

永瑠は窓の方を向いたままだったから、表情も見えなかったし。

しかたない聞き返そう、と思ったけど、それもできなかった。

理由は、


「……っていうか、さっきは怒ってて聞けなかったんだけど、お前車運転できたんだな……」


とかいう永瑠の言葉に、心底呆れてしまったからで。

……俺のこと何歳だと思ってんだろうコイツ。




*****




早々に帰りたくなってしまった。


「あなた若いわね~!どこの方?」

「あら、見ない顔!」

「肌綺麗ね~若いっていいわ~」

「きゃー!これがイケメンってヤツね~!私どうしようかしら!」

「どうやったらこんな美形ができるのよ~……」

「遺伝子よ遺伝子。私等にはムリね~!」


“あはははは!”と楽しそうに笑う奥様方に、俺は苦笑。

……なんで俺奥様方に絡まれてんの。

生徒たちがオリエンテーションをしている間、保護者側はいろいろと下準備をしなければならないらしく。

俺はもちろん力仕事を頼まれたわけなんだ、けど。


「あなた名前は?何歳?」

「もう彼女さんとか居るのかしら!」

「居るわよね~かっこいいもの~」


……どうにも逃がしてくれそうにないわけで。