俺がそんなことを考えている、ということは露知らずな永瑠は、スーハーと深呼吸をしていたりして。
……あ、黙ったらダメなんだっけ。
とか思って、何か喋ろうとしたまさにその時、永瑠が勢いよく顔を上げ、
一言。
「オレと付き合って欲しいんだ!」
…………。
…………。
「……は?」
「しまった!超重要事項が綺麗さっぱり抜けちまった!」
「悪い。話が読めねェ」
「ち、違う!違う違う違うんだってばーっ!」
「わかったから、ちょっと黙れ」
「黙れない!黙ったら死ぬ!」
「じゃあ黙らなくていいから落ち着け」
1人で焦り始めた永瑠に、俺は思わず出そうになったため息を飲み込みつつ、宥めの声をかける。
怒ったり焦ったり、永瑠は忙しいヤツだなー、とか思ってみたりする。
そんな感情の起伏が忙しい永瑠は、
「あ、有架、違うから!オレが言いたかったことは違うんだからなっ!」
と、人が“わかった”と言ったにも関わらず、半泣き状態で俺の服を掴み、ガクガク揺らしてくるわけで。
なんていうかもう頭痛い。


