けれど、次には意を決したように強気の視線をこちらに向けていた。
「今度はちゃんと、“永瑠”として云うからねっ！」
「覚悟しとくよ」
俺はそう、心から答えた。
案外、勝てる気しねェかも。
なんてね。
と、その時、俺のポケットに入っていた携帯が着信を教えた。
ロリーポップを持っている方とは逆の手で携帯を手に取り、サブディスプレイを見つめた。
……あれ、エセ関西弁野郎サンからじゃないっすか。
ある意味空気読みすぎなタイミングでかけてきやがるところさすがだ。
電話を取っていいかと永瑠に目くばせすると、永瑠は一度うなずいて了承を示した。
通話ボタンを押し、スピーカーを耳に当てる。
「はい？」
『あ、生きとったんかー！いやー、死んどるんやないかと思っとったわー！』
「切っていいか」
『あかーん！』
相も変わらずのテンションで今日も愉快そうに生きてやがるエセ以下略こと袮夏クン。
……なんかドッと疲れが。
「……で、なんか用？」
『お前ホントドライアイス……』
「黙れ」
『ええこと教えたろ思て電話かけてやったんに！』
「へえ。なに？」
