「……や、別に」
「むう」
「はいはい膨れてないでもう寝ますよ」
「もう寝るの?」
「今何時だと思ってる」
「……9時?」
「あの時計の針が9時に見えるならお前眼科行った方がいいよ」
俺はリビングにかけてある時計を指さして言う。
七瀬は時計へと顔を向けて、じーっと見つめて、ごしごしと目をこすってからまたじーっと見つめた。
マンガみたいな行動をリアルにするヤツが居るとは。
そんな七瀬は、時計を見据えたままつぶやく。
「……12時、ですって……?」
「語りすぎたな」
「嘘よ!私は信じないわ!あの時計は偽物よ!そうよそうに決まってるわ!」
「何キャラだよ」
「女王様キャラ!」
「さて、寝るか」
「ドライアイスのバカ!」
いやドライアイスって名前じゃねェよ。
自室に向かう俺の後ろで“ぶーぶー”とブーイングをする七瀬。
子供か、子供なのか。


