しくしくと泣き真似――だと思いたいんだけど――をする七瀬に、どうしたもんかと頭を抱える。
まあ、たしかに女子の悩みなんて俺には一生わかるわけないし。
っつーか、かける言葉はひとつしかないわけで。
「……歳取っても、七瀬は七瀬だろ」
なんか投げやりみたいな言い方になってしまった。
けど、七瀬は顔を上げた。
あ、泣いてない。
よかった。
「……それはまあ、私は私ですけど」
「だろ」
「気づきます?」
「え?」
「歳取って、しわしわのおばあちゃんになった私、見つけられます?」
七瀬はいつもの調子で首をかたむける。
でもなんとなく、その瞳が揺れた気がした。
そんな心配しなくても、答えは決まってるんですけど。
「……愚問だな」
ニヤリ。
ムカつくほどの余裕顔で笑ってみせると、七瀬は「ふふっ」と笑顔を浮かべる。
ちょっとだけ照れたような笑い方。


