ペットボトルを受け取りつつ、眉根を寄せる俺。
すると七瀬は、人差し指を立てて言う。
「ヒント!有架が拾ってくれた画用紙!」
「俺が拾った画用紙?」
「何が描いてあったでしょーか?」
なんだったっけ。
たしか、なんかの絵だったような気がする。
って、そりゃそうか、デザインの構想描いた画用紙だったんだし。
……あ。
「賞取ってたデザインの……」
「ピンポーン!正解です!私が大学入って初めて賞取った作品の絵が描いてありました!」
パチパチと大げさに手を叩く七瀬に、それでも疑問は残るわけで。
その絵と俺と、何が関係しているというのか。
絵が描いてあった画用紙を拾ったっていう接点しかなくないか。
と思っていた俺に、七瀬が接点を説明し始める。
「あの絵、拾ってくれた時さ、有架なんて言ったか覚えてる?」
「……なんか言ったっけ」
「言ったよー?たぶん無意識に言ってくれたのかも」
「俺なんつったの?」
気になって答えを促す。
七瀬は静かに微笑を浮かべて、言う。
「“これ好き”って、言ってくれたの」


