まあ、落ち着きがないって言っても、コイツに落ち着きがないのは常日頃からあんまり変わらないような気がしてならない。
が、それを言うとまた怒らせることになるんだろうから、それに関しては何も言わずに、
「別になんもないし!」
って俺に背を向ける永瑠の後を、
「ふぅん」
と空返事しながらついて行くことにした。
リビングへと入った永瑠は、ソファに座ってテレビのチャンネルを無意味に変え始める。
俺はその隣に腰をおろし、なかなか落ち着かないテレビ画面を横目に、永瑠へと顔を向ける。
「……なんでそんな慌ててんの」
「え、なに!?」
ただ気になって軽く聞いてみただけなのに、永瑠のヤツは何故か大袈裟な反応を示すわけで。
反射的にという風にこちらを向いた永瑠が手を止めたので、テレビ画面からはバラエティ番組の笑い声が聞こえてくる。
「だから、なんでそんなに慌ててんだって聞いてんの」
「別に慌ててないけど!?」
どこがだ。
「……じゃあ聞くけど」
「な、なんだよ!?」


