「永瑠は生きてる」 「…………っ」 「ずっと生きてる」 「…………っ」 「死んでなんかない」 「…………っ」 「あの日、俺が助けたのは2人だ」 「…………っ」 「息をしてたのはお前だ」 「…………っ」 「双子の片割れを助けようとしてたのはお前だ」 「…………っ」 「名前を呼んでたのはお前だ」 「…………っ」 「ここに居るのはお前だ」 「…………っ」 「今、俺が抱きしめてるのは、お前だ」 「…………っ」 「生きてるのは、お前なんだよ、永瑠っ」 ――泣き声が、茜色の世界に、響いた。