「生きたいよっ……」 「……うん」 「実瑠じゃなくて、永瑠だよっ……」 「……うん」 「実瑠にはなれなかったよっ……」 「……うん」 「だって、オレは永瑠なんだもんっ……」 「……うん」 「ずっと、ずっと、ずっとだよっ……」 「……うん」 「髪の毛も伸ばしたいよっ、モノクロは好きじゃないよっ、女の子だよっ……」 「……うん」 「永瑠は、ずっと、ここに居るよっ……」 「……うん」 「ここに居たいよっ」 「……うん」 「……わたしはっ」 ――涙の落ちる、音がした。