もうお前将来はゲームになれよ。
きっと幸せデスよ。
とか思いながら、起き上がって「寝違えたクソ痛ェっ……!」と首を回して呻いている袮夏に俺は言う。
「んじゃ、俺帰るわ」
「……あ?あー、そうかー」
「うん」
「いやー、しかしあれやな。起きて早々野郎の顔見らなあかんとかマジ涙目やわ……」
「同感」
「潤え俺の人生!」
「ゲームデータ消去のネタで起きるお前には残念ながら」
「リアルすぎてどうしていいかわからない」
頭を抱え始める袮夏。
そんな“人生よりゲーム”という生き方をする野郎に背を向けて、俺は部屋のドアを開ける。
階段を下りて玄関へ向かう。
と、後ろから袮夏が欠伸をしながら下りてきた。
「しゃーない、お見送りをしてやろうやないか」
「なにがどう“しゃーない”のか詳しく」
「眠いけど有架クンが今日なんか頑張るっぽいから俺はなんもできへんしせめて見送ってやろうやないかと思ったわけやん」
「そりゃどーも」
「よかったな有架!俺という素敵なダチが居って!」
「ソウダネ。とってもステキな悪友だネ」
「素敵に無敵に歪みねェ棒読みをありがとうございます」
「どういたしまして」


