笑いながら、さて明日はどうしようかなと考えた。
どうしてやろうかなと考えた。
そしたら少し、見えるものがある気がした。
今日のことを考えたところで、それは過去であって、終わったことであって。
だからなんの能力も持ってねェ俺が足掻いたところで、変わるものじゃない。
でも“明日”ってヤツは違うらしい。
“明日”ってヤツは、無能な俺でも、たぶんきっと、どうにかできるヤツなんだろうさ。
「……うっし」
ゲーム雑誌を床に放り、そう掛け声的な何かを言いながら袮夏が立ち上がる。
そしてグッと伸びをしてから、俺を振り返った。
「そんじゃー、袮夏さんが輝いたところで、なんか食おかー」
「自分で輝いたとか言ってんなよ。寒いから」
「うっさいわ!けどちょっと今日の俺かっこええよな!?」
「あー、うん。くそかっこいいな」
「せやろ!いやーもう照れるわー!」
「なんで彼女ができないんだろうネ」
「キサマ……ッ!!」
「あー腹減ったカップラーメン食うか」
「お前に食わせるカップラーメンはねェ!!」
起き上がってベッドから降りる俺に、袮夏が思い切り蹴りを入れてくる。
もちろん倍にして蹴り返したんだけど。
そんで袮夏が蹴られた場所を押さえてごろごろ転がっている内に、勝手知ったる袮夏家からカップラーメンをいただく。


