素直に答えてみて、永瑠を見下ろす。
すると永瑠は、合わせたように俺から視線を外し、前方を向いた。
「ははっ」と笑う。
「そっか、やっぱ困るのか……。なんだ、オレだけが困るって思ってんのかなとかちょっと不安になったんだけど」
……ヤケに、饒舌になった。
あれ、と内心で首をかしげる。
こんな喋ってる永瑠、レア過ぎて、変に見えてくるんだけど。
そう思うと“変だ”としか思えなくなるわけで、けれど永瑠は喋り続ける。
「や、だって告白されるとか初めてだし。って、言っちゃったよ意味ないじゃん。ま、いっか、もう」
「……永瑠?」
「あ、さっきから話してるの告白されたって話だったんだけど。意味わかってた?わかってて“困る”って言ったんだよな?」
「おい」
「そりゃ困るよな。だってあんな可愛い彼女さん居るのに困らないわけっ、」
「永瑠っ!」
まるで機械のように喋り続ける永瑠の肩を掴み、引き留める。
肩を掴んでわかった。
震えている。
まさか、と思った。
「……泣いてんの?」


