そんな失礼極まりない永瑠は、先ほどから抱えた袋を見つめて何故か口をもごもごさせている。
つまりは何かを言いたいらしい。
しかし軽く言えるものではないのか、さっきからどんぐり食べてるリス状態。
たぶん永瑠に隠し事とかムリだと思う、絶対。
「……永瑠」
試しに名前を呼んでみると、永瑠はピクッと肩を上下させて、けれど視線はそのままに、
「な、なんだよ……」
ヤケにぶっきらぼうな返事をする。
返事ひとつでどんなことを言いたいのかがわかってしまう。
予想だけど、永瑠が言いたいことは、俺にはちょっと言い難いこと。
「さっきから口がもごもごなってんだけど」
「えっ」
「言いたいことあるなら言えば?」
「べ、別にない、し……」
「説得力皆無」
「うっ……」
別にムリヤリ聞き出すつもりはない。
が、永瑠はムキになって言い返しては来なかったわけで。
ということは、たぶんそれは言いづらいけど、言いたいこと。


