俺は嫌味に笑ってやって、椅子に座り直す。
「始めからそう言やいいのに」
「なんだと……?」
「素直になるっていうのは大事なことデスよ」
「ばっ……バッカじゃねェの!?ってかさっさと数学教えろよバーカっ!」
「“バカ”ってお前それ口癖なの?」
「知らねェよ!」
再びイライラし始める永瑠は無視して、俺は数学の解説を開始する。
しぶしぶと言いたそうに黙った永瑠は、ずーっと俺の説明を不機嫌顔で聞いている。
今度はちゃんと聞いてんのかなと思った矢先。
「……理系になるにはどうしたらいいんだ?」
唐突に意味不明なことを口走りやがるコイツをどうしてくれようか。
「なに急に。そんなに数学とお友達になりたいかよ」
「なりたくねェけどなりたい」
「優柔不断」
理解不能な永瑠の思考回路には心底うんざりするんだけど……。
「あとなんか理系ってちょっとカッコいい」
……このある意味純粋(またの名をバカ)な永瑠に、まあ答えない理由もないし。
理系がカッコいいか否かはさておき。


