振り返ると親友の奏が余裕の笑顔で自転車をこいで坂を登ってきた。
「奏…朝から元気だね…それにこの坂登ってなんでそんな余裕なのよ?」
「そりゃバスケ部で鍛えられてますから♪葉菜こそ少しは体力つけなよ!」
「そりゃあたしは万年文化部ですよーだ」
奏は中学の時からバスケ部でいつもスタメンに入ってた。
それに勉強も出来て、可愛くて…すなわちオールマイティーガール。
それに対してわたしは勉強も顔もよく言って中の中。
中学からずっとやってきた吹奏楽でのフルートが唯一自慢できる事。
…まあそれもたいして自慢できることじゃないけど…
