「遠藤先生、まだ私たちの見分けが付いてないんだねぇ……一年の時古典習ってたんだけどなぁ……」

 綺が諦(あきら)め半分に言って、ため息を吐く。
 麗と同じ様に髪を結んでいて、麗が拾ってもらったのと全く同じシュシュを付けている。

「っていうか、私なんて今年の担任だよ」

 交互に不満そうに漏(も)らした二人に、僕は笑い出した。

「っ……はは! 教科担で関わる位じゃ、二人を見分けるのは難しいよ。っていうか、ああいう嘘吐(つ)くから、余計に見分けられないんじゃん」

 遠藤先生かわいそ……。まぁ、黙ってた僕が言うのもナンだけど。
 一卵性双生児で髪型も同じ、麗と綺。だから……ではないだろうけど、二人は良くこういうイタズラをする。呼ばれてない方が返事をしたり、今みたいに、合ってる方を呼んだのに違いますって答えたりする程度だけど。
 そんなことばかりしているからか、二人を見分けられるのは、家族を除くと数人の友だちだけらしい。
 ……前から思ってたけど。

「二人とも、見分けられたいと思ってないよね」

「うん」

 二人はキョトンと顔を見合わせた。



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