校舎裏は今の季節、茂った葉桜が爽やかで気持ちが良い。散ってしまった桜の替わりに、フェンスの向こう側に生え放題の雑草が、小さな花を沢山咲かせている。そこを通る風は新緑の匂いがして……って、今はお弁当の匂いなのだけれど。
 あ、あと、ゆーたのカツサンドの匂い。好きだよねぇ、カツサンド。

「ねぇ……あの花、ずっと咲いてるよね?」

 校舎を背に私の隣に座る綺ちゃんが、フェンスの向こうを指す。
 私の膝より少し背の高いその草は、緑色の茎がすくっと伸びて、その先に糸のような花びらの小さな白い花を沢山咲かせている。中には薄いピンク色をしているものもあって可愛らしい。

「あ、そうかも。桜が散り始めた頃も咲いてたものね! 頑張るなぁ……」

「そうなの。フェンスの内側に生えてた分は、用務員さんに抜かれちゃったんだよね……」

「頑張ってるのに、ちょっと可哀想だねぇ」

 話していると、綺ちゃんの向こうに座るゆーたが言った。



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