半ば諦めかけていた時、覆いかぶさっている人の顔が耳元へと近付けられた。 や…やめっ……!! 「…莉子。お前…今までどこをほっつき歩いてたんだ…バカ女が」 …え? 今…莉子って言った…? それに…この声は…。 「……隼人…さん?」 隼人さんらしき人は私から離れると、パチンと玄関の電気を付けた。 私は目の前で立っている人を見て、鼓動が大きく脈打った。