「元気でな」 「…うん……隼人さんも」 隼人さんは大きな右手を私の前に差し出して微笑む。 私はそっと隼人さんの手を握り握手を交わす。 大好きな人の大きな手。 私の手が子供の手の様に見える程の…大きな手…。 …忘れないよずっと。 「夜遅いから、見送りはいらねぇから俺が出てったらすぐ鍵かける様にな」 「……うん…わかった」 握っていた手をそっと離すと、隼人さんは私の頭をポンポンと軽く叩いて玄関を出て行った。