「…しつこい女だな。入らないっつってんだろが」 「…もぅ~。じゃあ私も入らないわ」 「…勝手にしろ」 優花は隣りにあるビーチチェアーに座ると膨れっ面でむくれてる。 お前は何しに来たんだ。 泳ぎに来たんじゃねぇのか。 「優花、泳がないの?」 「ええ。隼人さんが泳がないんですもの、私話してるわ」 「……そっか」 莉子が傍まで寄って来ると、不覚にも一瞬鼓動が脈打った。