そっと静かに莉子から離れ様とした矢先、手をぎゅっと捕まれた。 起きてんのか? 「……お母…さん…」 なんだ…寝言か。 寝ぼけてて母親と間違えてんだな…。 母親が恋しいのか。 母親と妹がすぐ傍にいんのに…一緒に暮らせねぇんだもんな。 …恋しいよな。 莉子の小さな手を、空いているもう片方の手で包み込む様に握り締めた。