まあ、いいか。 どんな理由にせよ、働きやすいならそれでいいか。 「あ、ねぇねぇ。ご飯作るの手伝って」 「は?面倒くせぇなら出前取ればいいんじゃねぇのか?」 「出前は食べたい気分じゃないんだよ。手作りがいいの。ね?ほら、早く早く」 首を左右に振り、その華奢な手で俺の手首を掴み引っ張る莉子。 さっき泣いての嘘泣きじゃねぇかってぐらい、表情変わんのな。 …忙しい女。