「…早く開けろ」 「…か、鍵…どこ行ったかな……な、無くしちゃったかも…」 「……………」 本当はブレザーの右ポケットに入ってるんだけど、嘘ついちゃった。 だって…今ここで鍵を開けたら…もし、泥棒とかだったりしたら大変な事になっちゃうから…。 男の人は目を細めながら暫く私を見下ろしていて、鍵を探す振りをした刹那、私の方へ近づくと前屈みになり顔を近付けて来た。 こ、来ないでーっ…。