「私が想像していた以上に可愛いお店です。」
「それに旨いし、いいお店だな。」
佐和さんも満足そうに笑っている。
「だけど、お値段は可愛くないですね。」
「こんなもんだろ。
特に高いとは思わないよ。」
大人な佐和さん。
ビールのジョッキを片手に話す佐和さんが妙に大人に見えた。
こんな時少し寂しくなる。
私は佐和さんの隣にいて釣り合ってる?
「どうした?」
心配そうな佐和さんの声。
「なんでもないです。」
「ダメだ!ちゃんと言え!」
佐和さんの口調の荒さに驚き顔をあげるとニヤリと妖艶に微笑む佐和さんと目があった。
ドキリと跳ね上がる心臓。
「隠し事をする悪い子はお仕置きだよ。」
顎を持ち上げられ、
「佐和さ…ん……ンン…」
彼の名を呼ぶ私の唇に彼の唇が重なった。
苦いビールの味がした大人の口づけ。
アルコールの香りと佐和さんの口づけに翻弄されて私の体は熱く熱を持っていた。


