熊本に行くのはきっと私の為?


仕事をしながら頭の中は今回の旅行の事がぐるぐると回っていた。


良君が加藤清正の転生した人だから熊本に行くの?


何か手掛かりがあるかもしれないって考えたの?

「紫衣、手を休めないで!」


考え事をしている私に激を飛ばす芽衣ちゃん。


わかってるけど作業に集中出来ない。


「ごめんなさい。」


シュンと肩を落とす私に芽衣ちゃんは、


「仕事をキチンと頑張ったら全部話してあげる。」


聞きたいことに何でも応えてあげるよってニンマリと笑って言ったんだ。

そして、私はその言葉を励みに一生懸命働いて仕事を終えた。


結構いいお給金をもらえて満足そうな芽衣ちゃん。


お給金をバックに入れて仕事場の倉庫を出ると佐和さんの車が止まっているのが見えた。


「ダーリンのお迎えだね~。
私も、ほら!あそこ!」


指を指す方向に目を向けると嶋田さんの車が止まっているのが見えた。



「じゃぁ、今日はここで解散ね。」



全て話してくれるって言ったのに芽衣ちゃんは私の肩をバシンと叩いて嶋田さんの車に駆けていった。



「芽衣ちゃんは嘘つきだ。」


彼女の行動にやっとついていけた私はポツリと呟いてから佐和さんの車に足を進めた。