ええい!
四の五の考えずに行動ありのみ!
散々悩むこと1時間。
私は行動することにした。
なんて偉そうに聞こえるけど、私のとった行動は三成の布団に体を滑り込ませ、彼の背中にぎゅっと抱きつくという平成では当たり前な行動だったりする。
だけど…
だけどね。
戦国の世では殿方の役目というか、女が殿方の布団に潜入なんてはしたないことは誰もしてない…らしいよ?
だから本当は凄く怖かった。
でも、三成に元気になってもらいたいから、
「今日はぎゅっとして眠りたい」
彼の背中にしがみつきながら声をかけた。
そのまま二人向かい合って抱きしめあいながら眠る予定?だったのに私の言葉と行動に彼は体を固くさせるだけで振り向いてもくれない。
想像とかけ離れた状態に戸惑いながらも体を擦り寄せてみるもピクリとも反応してくれない三成。
抱き合うというような甘い雰囲気ではなく彼の背中は私を拒絶しているのかと思うほどに固くなっている。
どうして?
やっぱり、こんな大体なことをして、はしたないと嫌われたのだろうか。
悲しくなって三成の着物をぎゅっと握り込む私を決定的に拒否するように三成は声を落とした。


