勝利の女神になりたいのッ!~第2部~



二人で食事を取り、早めの就寝。


布団を二組並べて敷いて無言のまま布団に潜り込む三成。


静かな部屋に衣擦れの音だけが響く。


何も会話がないまま早々に寝ようとする三成だけど、それは疲れているから早く休みたいからということではないのはわかる。


それにこのまま寝てしまうことなんて出来ない。

だから私は強行することにした。


そっとしておこうなんて無理。


明日には普通に戻ってるなんて思えない。


だからといって深刻に話し合いをして解決出来ないことも理解している。

だからこその強行なんだから。


いいよね?


いいよ…ね?



「寝ちゃったの?」


強行するって決めても、なかなか勇気のない私は三成に声をかけるけれど、当然、彼からの返事はない。


鼻息荒く強行なんて言葉を使っているけれど平成では当たり前なことだと思う。

けれど三成は戦国時代の武将であり官僚。


家族のようだと言っても家臣である朱理さんと食事を一緒にという考えも不思議がられたのだから、怒られるかも?


そう考えると小心者の私には、ちょっと荷が重かったりする。


でも、このままは嫌!


どんより重い空気で眠るなんて…というか眠れそうにない。

刺激的?


驚愕?


怒り?


それとも呆れ?


私の行動で三成がどんな感情を持つかは想像つかないけれど、沈没している今よりも感情を表せる状態の方がいいんじゃないのかな?


いいよね?


ダメかな…