感情を高ぶらせながら声を荒げる紅葉さんに頭を抱え込むしかない私。
っていうか…
紅葉さんが良君に逢いたい理由は何?
もしかして、元カレというのがダメだった?
とにかく!!
どんな理由でも
「紅葉さんは絶対に良君に逢うことは出来ないよ」
怖々と、だけど、きっぱりと言い切ってみた。
「なに?」
ひゃーーーーーっ!!
は、般若がいるよーー!!
鬼の形相でジトリと私に視線を向ける紅葉さんに言い切るんじゃなかったと後悔しても遅く。
「どうして逢えないのか説明しろッッ!!」
恐ろしく低い紅葉さんの声が響く。
地を這うような声。
怖すぎて逃げ出したい。
誰か助けて!
意味もなく助けを呼んでみる(心の中で)
「紅葉、さがれ」
凛とした声が部屋に響いた。


