私は佐和さんの為にだけ咲く花。


だからまだ開花することの出来ない私を咲かせられるのは佐和さんだけなんだ。


窓際に移動して空を見上げる私の背中をソッと抱きしめてくれる優しい腕。


しっとりとしたお風呂上がり独特の肌の感触。


「シャワー浴びておいで」


ちょっぴり掠れた声が色気を感じさせる。


「……はい」


バスルームに向かいながら不安と期待が私の鼓動を激しくさせていく。


今夜、私という花を佐和さんは咲かせてくれるかな?


もう花開く準備は整っている。


後は佐和さんの愛を私の体に注いでもらうだけ。

あなたの特別になれた日が私の開花日。


過去も今も未来も私はあなたの為だけに咲く花だと早く気付いて下さい。




世界にたった1人の愛


世界にたった一つの花


「佐和さん、今夜私をあなたが咲かせて下さい」

バスルームの扉の影から声を掛けてすぐに閉めた。


開花宣言ーー…。