食事会は最上階のレストランの個室を用意してもらっていた。


そこでとっても美味しいフレンチを頂いて、ゆっくりと3時間かけての食事は佐和さんが心配していた通り佐和さんのお父さんと嶋田さんがかなりテンションを上げてはしゃいでいた。


だけどとっても楽しい時間を過ごした。




「疲れただろ?」


「いいえ、すごく楽しかったし美味しかったです」


「あぁ、料理は美味しかったな」


表情に少し疲れを浮かべている佐和さんにシャワーを勧めてから私はゆったりとソファーに体を沈めた。


佐和さんは凄く気を使ってくれていたから、きっと私よりもうんと疲れてるはず。


少しでも早くベッドに入って眠りについて欲しかったんだ。


良君の事や急にご両親に逢う事になったり、私もちょっぴり疲れている。
それに旅は始まったばかりだし、この先何があるかわからない。


紫衣とお兄ちゃん、佐和さんと私。


繋がる糸がもつれないように祈りながら旅を続けていきたい。


そのための旅なんだよね?


どうか何事もおきませんようにと祈りを込めて夜空に浮かぶ月を仰ぎ見た。