「私に連絡が入ったのよ。」
言いにくそうに芽衣ちゃんは口を開いた。
「良君が訪ねてきた後?」
「そうよ。
その時石田は絶対に紫衣の側に行く、絶対にその糸口を見つけ出すって言ったの。」
もしかしたら自分も紫衣のように時を越えるつもりなのかもしれない。
けど、入れ替われる保証は…。
ないわけじゃない…。
お兄ちゃんと魂を共有する佐和さんが存在するように良君もそうだとしたら?
お兄ちゃんのように不思議な力をもった人が存在したら?
「可能性はゼロじゃない。」
同じ事を考えていたのか佐和さんが言葉を紡いだ。
ザワザワと騒がしくなる心、ドキドキと波打つ胸。
阻止したいと思うのは当然の感情だと思う。
良君には申し訳ないけど、2人をソッとしておいて欲しいと望まずにいられない。


